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Case 08 そのスマホ、一度私と結婚してみる?(2/3)

Auteur: Amy
last update Date de publication: 2026-10-02 06:01:39

Aコース

『妻が話すとスマホ自動ロック』

奥様が話し始めた瞬間、すべての画面が消えます。

「欲しい」

「途中でスマホを触ると?」

「最初から奥様のお話が再生されます」

「それ最高」

Bコース

『全世界ながら聞き』

ご主人が何を話しても、世界中の人がスマホを見ながら、

「へえ」

「そうなんだ」

「うん」

の3種類しか返しません。

「会社でも?」

「はい」

「部長に相談しても?」

「へえ」

「病院でも?」

「そうなんだ」

「かなり嫌ですね」

「Bですので」

私は最後のページを開く。

Cコース

『完全書き殺し・画面の向こう側』

ご主人自身がスマートフォンの中へ入ります。

どれだけ話しかけても、誰もきちんと見てくれない。

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  • あなたの旦那/彼氏、書き殺しますーー離婚するほどじゃない夫専門店   Case 20 家族写真に、私だけいません

    「いらっしゃいませ」女性は紹介カードを差し出した。「佐藤美紀さんから」受付番号010。誕生日を忘れられた女性。「美紀さん、お元気ですか?」「旦那さん、今年は誕生日をスマホに3つ登録したらしいです」私は少し笑った。「それは何よりです」新しい受付票。【受付番号:020】中村由佳、42歳。夫44歳。結婚16年。子ども12歳、9歳。「ではまず――今日、何をされました?」由佳さんはスマートフォンを見せた。写真。旅行。運動会。誕生日。花見。水族館。夫。子ども。夫。子ども。夫。子ども。「奥様は?」「撮ってます」「写真を?」「はい」私は何枚も見る。由佳さんが写っている写真は、ほとんどない。「ご主人は撮られない?」「頼めば撮ります」「頼まなければ?」「撮りません」受付票。【本日の罪状:家族写真の撮影者を家族写真から消去】由佳さんが少し笑う。「罪状ってほどじゃないですよ」「今日は?」「娘がアルバム作ってたんです」学校の課題。“わたしの家族”。娘が言った。『ママの写真、全然ないね』そこで初めて気づいた。16年間。家族の思い出を撮ってきた。でも自分だけ、ほとんどそこにいない。「夫、悪くないんです」「はい」「私も“撮って”って言えばよかった」「はい」「でも」由佳さんはスマホを見た。「たまには言わなくても、“ママも入ろう”って言ってほしかった」私は受付票に、新しい欄を作った。【本日の寂しさ:★★★☆☆】「美紀さんと同じ欄ですね」「ご存じでした?」「聞きました」「個人情報ですね」「美紀さんが自分で喋ってました」それなら問題ない。私は黒いメニューを出した。「中村様」「はい」「今日は少しだけ」メニューを開く。「ご主人を、カメラの外側へ立たせてみましょう」……Aコース『家族専属カメラマン』次の1年間。家族行事では、夫が写真係。さらに毎回、「ママも入ろう」を1回以上言う。「これだけでいい」「まだAです」B。『夫だけ写らないアルバム』旅行。妻と子ども。夫だけいない。運動会。妻と子ども。夫だけいない。誕生日。妻と子ども。「夫は撮影?」「はい」「なるほど」C。『完全書き殺し・カメラの外側の男』人生のすべての大切な

  • あなたの旦那/彼氏、書き殺しますーー離婚するほどじゃない夫専門店   Case 19 「今から友達連れて帰る」

    「いらっしゃいませ」「本日は?」「夫です」【受付番号:019】長谷川麻子、38歳。夫40歳。「今日、何をされました?」「昨日18時25分にLINEが来ました」画面。『今から友達2人連れて帰るね』「今からとは?」「40分後でした」書く。【本日の罪状:自宅を40分前に宴会場登録】「事前相談は?」「なし」「ご自宅の状況は?」「洗濯物干してました」「夕食は?」「2人分」「服装は?」「部屋着」「ご主人は?」「“適当でいいよ”って」私はペンを止める。「何が?」「料理も部屋も」「適当にするのは?」「私」書く。【夫の“適当でいい”:妻への追加業務】麻子さんが机を叩いて笑う。「そう!」急いで洗濯物。トイレ。テーブル。料理追加。飲み物。夫帰宅。「ごめんねー」友人。「急にすみません」夫。「全然いいよ!」私はペンを置く。「誰が?」麻子さん。「ですよね」殺意。★★★★☆「夫、悪気ないんです」「はい」「友達に家を見せたいだけ」「はい」「でも、その家を“人を呼べる状態”にするの、誰?」私は黒いメニューを開いた。「今回は、その点を明確にしましょう」……Aコース『来客準備・夫完全担当』友人を呼びたいなら、掃除。料理。飲み物。片づけ。全て夫。「普通」「理想です」B。『40分前通知返し』夫がくつろぐたび、妻から、『今から10人行くね』「誰が?」「知らない人です」「怖い」C。『完全書き殺し・24時間営業、自宅居酒屋』ご主人の家が勝手に飲食店登録。24時間、客が入ってきます。「何人?」「満席になるまで」「閉店は?」「ありません」「Cで」「即決ですね」「昨日、夫、“うち気楽だからまた来てよ”って」赤ペン。【追加罪状:再来店許可を無断発行】「Cで間違いありません」「ですよね」……夫がソファで寝ている。ピンポーン。知らない男3人。「こんばんは!」「誰?」「友達の友達です」続いて5人。10人。20人。家中、人。冷蔵庫。「ビールない?」台所。「つまみ追加!」トイレ。行列。夫。「ちょっと待って!」客。「気使わなくていいよ!」「俺の家だよ!」玄関。看板。【長谷川居酒屋 24時間営業】「誰が出

  • あなたの旦那/彼氏、書き殺しますーー離婚するほどじゃない夫専門店   Case 18 「あとでやる」って、何時ですか?

    「いらっしゃいませ」顔を上げる。「あ」女性も笑った。「また来ちゃいました」宮本彩さん。受付番号003。靴下17枚の人だ。「お久しぶりです」「覚えてます?」「17枚でしたので」彩さんが笑う。「靴下は改善しました」「素晴らしい」「洗濯かごに入れるようになりました」「ご主人、成長されましたね」「はい」私は新しい受付票を出す。【受付番号:018】【再来店:宮本彩】「では今回は?」彩さんが言う。「“あとでやる”です」皿。「あとで洗う」ゴミ。「あとで出す」電球。「あとで替える」段ボール。「あとで捨てる」妻が待つ。1時間。2時間。翌日。結局、妻がやる。私は書く。【本日の罪状:家事を未来の自分へ無期限移管】「ご主人に“何時?”と聞いたことは?」「あります」「何と?」「“あとで”」私はペンを止める。「時刻を聞いていますね」「そうなんです」「回答になっていません」「そうなんです!」常習。★★★★☆「でも靴下は?」「ちゃんとやります」「では更生歴あり」【情状酌量:靴下については改善】彩さんが笑う。「そこ残ってるんだ」「記録ですので」私はメニューを出した。「今回は再犯ですが」「はい」「別件ですので初回料金です」「料金取ってたんですか?」「雰囲気です」……Aコース『時刻指定制度』「あとで」と言った瞬間、何時何分にやるか登録。「いい」時間を過ぎればアラーム。B。『未来の自分・倍返し』今日の皿をあとで。→2倍。ゴミ。→2倍。段ボール。→2倍。「未来の自分、かわいそう」「現在の自分が原因です」C。『完全書き殺し・世界中があとで』ご主人が何か求めても、全部、「あとで」になります。ご飯。「あとで」電車。「あとで」給料。「あとで」救急車。「あとで」彩さんが笑う。「最後の危ない」「Cですので」「夫、この前“あとで風呂掃除する”って言って寝ました」「翌朝?」「私がやりました」「Cですね」「まだ選んでません」「失礼しました」彩さんはしばらく笑う。「Cでお願いします」「かしこまりました」……夫。「すみません、注文したラーメンまだですか?」店員。「あとで」駅。「電車は?」「あとで」会社。

  • あなたの旦那/彼氏、書き殺しますーー離婚するほどじゃない夫専門店   Case 17 寝かしつけたのは、あなたじゃなくて自分です

    「いらっしゃいませ」「本日は?」「夫です」【受付番号:017】柴田奈緒、36歳。夫38歳。4歳と1歳の子ども。「今日、何をされました?」「夫が“昨日俺が寝かしつけた”って言いました」「実際は?」「寝ました」「お子様が?」「夫が」私は受付票を見る。「最初に?」「最初に」書く。【本日の罪状:自分の就寝を育児実績として計上】夫は4歳の息子と寝室へ。絵本。5分。夫、睡眠。息子、起床。「ママー」奈緒さんが行く。そこから40分。寝かしつけ。その後。食器。洗濯。保育園準備。「翌朝?」夫。『昨日、俺が寝かしつけたから楽だったでし

  • あなたの旦那/彼氏、書き殺しますーー離婚するほどじゃない夫専門店   Case 16 ポケットのティッシュは洗濯機で増えます

    「いらっしゃいませ」「本日は?」「夫です」【受付番号:016】川島朋子、43歳。夫45歳。「今日、何をされました?」「ティッシュです」私は待つ。「昨日、洗濯したんです」洗濯機を開ける。白い紙。服。タオル。靴下。全部、細かいティッシュまみれ。「ご主人のポケット?」「はい」「ご主人は何と?」朋子さんが低い声。『洗う前にポケット確認しなかったの?』私はペンを止める。「誰のポケットですか?」「夫です」書く。【本日の罪状:自分のポケットの中身を妻の検査責任に転嫁】朋子さんが笑う。「ですよね!」財布。レシート。マスク。ボールペン。小銭。全部。

  • あなたの旦那/彼氏、書き殺しますーー離婚するほどじゃない夫専門店   Case 15 話を最後まで聞くと死ぬんですか?

    「いらっしゃいませ」女性は紹介カードを出した。裏に、小さく名前。【木村香織】私は少しだけ笑った。「香織さんのご紹介ですか?」「はい。会社の先輩です」「お元気でした?」「最近、ご主人がスマホを伏せるようになったって」それは何よりだ。【受付番号:015】小野美咲、32歳。夫34歳。「今日、何をされました?」「話を最後まで聞いてくれません」「途中でスマホ?」「違います」「では?」美咲さんが話す。「今日仕事で嫌なことがあって」夫。『俺なんてさ、今日もっとすごくて』妻。『頭痛くて』夫。『俺も昨日頭痛くてさ』妻。『高校の友達が結婚するんだって』夫。『俺の友達もさ』私は書く。【本日の罪状:妻の話を自分の話への前振りとして使用】

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